現像プロセスでは何が起こっている?
銀塩フィルムの現像。
写ルンですとかを写真屋さんに出したことある人も少なくないと思う。
でもモノクロだったら個人で簡単に現像ができます。みんなやろう!!(宣伝)
というわけでモノクロフィルムの現像プロセス、それぞれ一体何をやってんの?という解説です!
まずフィルムに乗ってる銀とは何か、という話。
あれにはハロゲン化銀が乗ってます。そして光に当たると還元されて銀になる、という仕組み。
そしてできたほんのちょっとの銀の入ったハロゲン化銀を、像が見えるようにして光に当てても大丈夫にするのが現像プロセス。
現像プロセスとは具体的に何をやるのか?
モノクロなら一般的に
現像→停止→定着→水洗
という手順。
水洗に関しては文字でわかるだろう、薬品を洗い流すだけ。なのでここから現像、停止、定着の順番で話していこう。
現像
まず現像とは何か。読んで字のごとく像を現すこと。
露光しただけの段階ではまだ像が出ていない。なぜかというとできた銀の粒があまりにも小さすぎるから。
そこで現像では還元剤を使ってハロゲン化銀を銀にしていきます。この時種結晶があるところによく析出していくから露光でできた銀の粒がだんだん成長して見えるようになるんですね。
光が多く当たったところでは銀の粒がいっぱいできて、あんまりあたらなかったところではまばらにしかできないから銀の粒を成長させてあげれば濃淡が見えてくる。
ちなみに、こういうことをやっていくから現像時間が短いと銀の粒が全然成長しなくて真っ白のフィルムに、逆に長いとどこの銀の粒も成長しちゃって何もないところにも銀の結晶できてきちゃって真っ黒になるのだ。
そしてそれを利用したのが増感や減感とよばれるもの。現像時間を長くしてあげれば露光時間が短くて銀の粒が少なくても成長量を多くして補償できるのだ!!でも無理やりやってる関係上ガサガサな画像になるよ。減感は逆。
停止
何も難しいことは無い。現像を止めるだけ。
現像液は基本アルカリ性でのみ作用するから薄い酢酸とかで中和して止めることが多い。
とはいえ別に水で洗い流してもさほど影響はない。自家現像じゃ水でやったせいで現像がピタッと止まらなくて現像が過剰になるのよりも温度がずれるほうが大きいから変わらんでしょ
あとは後述する定着液が酸性だからアルカリ性の現像液が混ざって駄目になるのを防止する効果も一応ある
定着
なにか忘れてるものは無いだろうか。そうだね、余ったハロゲン化銀を洗い流してない。
なのでここで洗い流します。ハロゲン化銀は水にはほとんど溶けないので溶解度を上げるためのチオ硫酸塩とかが入ってるのだ。
ちなみに現像が時間にシビアだったのに対してこっちの定着は結構ルーズ。あんまり短いとハロゲン化銀を洗い流しきれなくて後で感光して曇ることはあるけど長くて困ることはあんまない
といった感じで現像プロセスでやりたいことをまとめますた。意外と簡単でしょ?
というわけでやろうよ自家現像、ほら怖くないよ、ほらさ、最近現像料金も高いじゃない、自分でやれば安く済むよ、ほらほら(勧誘)